外傷外科医とは何をする人ですか?
外傷外科(Trauma Surgery)は、交通事故、転落、刺創・切創などでいま命に関わる傷を負った人に対し、主に止血を目的とした治療介入を担う分野です。消化器外科や整形外科などと領域が重なる部分もありますが、外傷外科の軸は**「時間との戦いで救命を最優先」**に置かれています。
外傷で最も致命的となりやすいのは出血死です。私たちは、出血部位を迅速に見極め、切る・縫うといった手術だけでなく、IVR(カテーテル治療)など最適な止血手段を選択する判断も担います。予定手術と異なり、患者さんの背景情報や画像検査が十分でない状況で、緊急手術に踏み切ることも珍しくありません。
ざっくり言えば、私たちは**「止血のスペシャリスト」です。多発外傷の際には、消化器外科、整形外科、脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器外科、放射線科、救急科、集中治療医などと連携し、重症外傷患者の治療の舵取り役**となります。
日本における外傷外科医の希少性
- 日本外傷学会認定の外傷専門医は約254名(2024年時点)。
- 日本の医師総数は343,275人(2022年12月31日)。
- 比率はおよそ**0.07%**に相当します。
注:ここでの「外傷外科医の数」は便宜的に日本外傷学会の外傷専門医の認定数を指します。以下個人的な意見ですが、専門医でも手術に携わっていない医師がいたり、専門医資格がなくても外傷診療を担う医師もいます。理想は外傷診療に精通した外傷外科医による対応ですが、日本では外傷患者が比較的少なく、またどこでも・いつでも事故は起こるため、症例の集約が難しいという事情もあります。
参考・出典(基礎データ)
- 日本の医師数:343,275人(令和4〔2022〕年12月31日現在)/厚生労働省『医師・歯科医師・薬剤師統計(令和4年)』
- 外傷専門医数(JAST認定):254名(2024年時点)/日本外傷学会『Qualification System for Trauma Experts in Japan』
このブログで発信すること
1.漫画の有名シーンを題材に、現実ならどうなるかを真剣に考察します。
- 受傷機転 ⇒ 予測される損傷部位 ⇒ 診療の流れを、シンプルな言葉で解説します。
2.医療従事者の方へ、実践的な知識を提供します。
- ER・外傷外科・ICUでの意思決定の根拠や注意点など、医療従事者の方に役立つ専門性の高い情報を、別記事として発信します。(医療者向け)
執筆ポリシー(Evidence-based)
- 可能な限り**一次文献・学会ガイドライン(ATLS/EAST/AASTなど)**に基づき、根拠と出典を記事末に明記します。
- 根拠や出典がない文章に関しては個人の意見になります。
- 漫画の演出は創作であるため、設定に依存する仮定は注記し、実臨床とは区別して記載します。
- 一般向けの可読性を保ちつつ、誤解を招く簡略化は避ける方針です。
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- 診断・治療の判断には用いないでください。緊急時は病院を受診して下さい。
- 施設や地域により治療方針は異なる場合があります。
運営者について(簡単に)
外傷外科医K
- 担当領域:外傷外科、消化器外科、集中治療
- 経験:医師歴約10年 外科専門医
- 消化器外科として外科研修を開始し、その後、縁あって、専門を外傷外科として従事しております。元々、漫画が好きであるという趣味を生かして、ブログを書ければと思い始めました。外傷外科を勉強したいという医療従事者の方の参考にもなればという気持ちも込めています(考察には飛躍がある可能性もあります。また、あくまで個人の経験をベースとしていますので、施設間の治療方針に関しては個々で判断下さい)。ブログは初めてなので、不備があるかもしれません。
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