本記事は医療に関する一般情報です。個別の診断・治療の指示ではありません。体調不良時は医療機関を受診し、緊急時は119番へ。
HUNTER×HUNTERのヒソカ vs カストロ戦は、天空闘技場編の中でも印象的な一戦です。
この試合でヒソカはカストロに対して「君は踊り狂って死ぬ」と予言し、最終的にカストロは顎への一撃を受けたあと、全身にトランプを刺されて倒れます。
ただ、初めて見た時に思うのはやはりこれです。
「あの程度のトランプ刺創で本当に死ぬのか?」
今回はこのシーンを、外傷外科医の視点から真面目に考えてみます。
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カストロはどこを傷ついたのか
作中の描写を見ると、カストロは顎への打撃のあとに、全身へ複数枚のトランプを受けています。
おおまかな部位としては、
両上肢、右肩、左腋窩、左前胸部、右上腹部、右下腹部、左大腿、両膝周辺といったところです。
しかも1枚や2枚ではなく、合計で10枚以上、12枚近く刺さっているように見えます。
一方で、描写上は完全に貫通しているわけではなく、半分くらい刺さった程度にも見えます。
そのため、1か所だけを見れば「致命傷には見えにくい」というのが正直な印象です。
結論:一撃必殺または、出血の総量が問題だった可能性が高い
結論から言うと、カストロの死因として一番考えやすいのは、多発刺創による出血性ショックです。
つまり、
- どこか1か所で重要な血管や心臓に近い部位を傷つけた
- それに加えて複数の傷からの出血が積み重なった
この2つが合わさって死亡した可能性が高いと思われます。
一見すると浅そうな傷でも、数が多ければ総出血量は無視できません。
さらに、戦闘中で血圧や心拍が高い状況なら、出血はより進みやすいと考えられます。
特に危なそうな部位
全部の部位を細かく見ると長くなるので、致命傷になりそうな場所だけ絞って考えます。
1. 左腋窩
いちばん怪しい部位のひとつです。
脇の下には腋窩動静脈という太い血管が走っており、ここを損傷するとかなり危険です。
しかもこの部位は圧迫止血しにくく、出血コントロールが難しいことがあります。
見た目以上に危険な創になりうる場所です。
2. 左前胸部
ここもかなり重要です。
左前胸部の刺創では、まず心臓損傷や心タンポナーデを考えます。
もちろん、トランプが本当にそこまで深く入るのかという問題はあります。
ただ、ヒソカのトランプは普通の紙のトランプではなく、刃物のような威力を持っている前提で考えるべきでしょう。
もし心臓やその周辺に達していれば、十分致命傷です。
3. 右肩
右肩そのものは必ずしも即死部位ではありませんが、位置によっては鎖骨下〜腋窩の血管に近く、ここも当たり所が悪いと危険です。
4. 左大腿
左大腿も見逃せません。
大腿には大腿動静脈という太い血管があり、ここを損傷すると大量出血になりえます。
作画上はやや浅そうにも見えますが、もし深く入っていれば死亡に関与した可能性はあります。
腹部や四肢の傷はどうか
右上腹部や右下腹部の傷も、深ければ肝臓や腸管、腸間膜血管などを損傷しうるため無視はできません。
ただ、その場で急死する主因として考えるなら、腹部よりも胸部・腋窩・大腿の方が説明しやすい印象です。
また、両上肢や両膝の傷は、単独では致命傷になりにくそうです。
しかし、こうした傷も数が多ければ、全体としての出血量にはしっかり影響します。
顎へのパンチは関係あるのか
最初の顎への一撃も重要です。
顎への強い打撃は脳震盪を起こしやすく、意識や反応を鈍らせます。
このパンチ自体が直接の死因というよりは、その後のトランプ攻撃をまともに受けてしまう流れを作ったと考えるのが自然です。
つまり、致命傷の土台を作った一撃だった可能性があります。
まとめ
カストロの死因として最もありそうなのは、多発刺創による出血性ショックです。
その中でも特に怪しいのは、
- 左腋窩
- 左前胸部
- 右肩
- 左大腿
あたりで、ここで主要血管や心臓周囲を損傷していた可能性があります。
逆に、どの傷も浅く、太い血管や心臓に届いていなかったとすると、「1か所だけで即死」というよりは、多数の刺創による総出血量の積み重ねで死亡したと考えるのが自然です。
ぱっと見では「トランプが何枚か刺さっただけ」に見えるシーンですが、外傷医学の視点で見ると、部位によっては十分危険です。
カストロは、当たり所の悪い傷と、多数創による出血の合算で命を落とした――そう考えるのが、いちばん納得しやすい結論だと思います。


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